【2023年投資におすすめ】なぜ今、金に注目すべきなのか?金投資の特徴とポートフォリオ構築法
作成日: 2023年01月02日
更新日: 2023年03月21日
はじめに
2023年元日になりました。
2022年、FOMCが急速な利上げにより、米国市場は大幅な株安・国債安となりました。
2022年のS&P500は2008年以来の大幅安、市場関係者の見解は? | 会社四季報ONLINE
また、単に安かっただけではありません。
S&P500指数の恐怖指数のVIX指数、米国債の恐怖指数のMOVE指数も高かったことから、株価や米国債の変動率も高かったと言えます。
あらゆる銘柄の変動率が高いことから、投資対象を選びづらかった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、2023年の投資対象を考えてみたいと思います。
特に、筆者が有望な投資対象として見ている「金(Gold)」について述べます。
この記事のポイント
- なぜ、いま金に投資するのか?
- 金の値動きと投資対象としての金の特徴
- 金を組み込んだポートフォリオの例
- 金投資のやり方
なぜ、いま金に投資するのか?
2022年末、S&P500指数や米国債の変動率が高い状態でした。
2023年初になっても、この状態はしばらく変わらないものと見られています。
2023年が少なくとも年初の数カ月は起伏の激しい展開になり得る
2022年のS&P500は2008年以来の大幅安、市場関係者の見解は? | 会社四季報ONLINE
よって、年初の数ヶ月は、個別銘柄、S&P500指数に連動するETFや、米国債に対し、やや投資しづらいのではないかと思います。
こういうとき、「総資産に占める現金の比率を高くしておく」のと並行し、「金(Gold)に小額投資しておく」とよいと思います。
金は、リスクヘッジのための分散投資の対象としてみられることが多いためです。
金の値動きと投資対象としての金の特徴
前述したように、分散投資のために資産の種類を増やしたいとき、金が投資対象として有望です。
昨年の金の価格推移(米ドル/オンス, Ticker: GOlD)を見てみましょう。
2022年2月24日に始まったウクライナ侵攻以降、鋭く上昇し、3月8日に高値をつけた後、下落しています。
有事の金と言われるように、やはり有事が起きると金が買われるようです。
ただし、昔言われていたように、金はもはや値動きの少ない資産ではないことに注意しましょう。
3月8日に2070USDの高値をつけて以降、金は下落を続け、11月3日は1616USDの安値をつけています。
全資産に占める金の割合を大きくしすぎると、資産総額の変動率が大きくなり得えます。
よって資産総額に占める金の割合は少なめにするのがよいでしょう。
また、後述するように、金には配当がないため、金に投資してもインカムゲインを得られることはできず、キャピタルゲインのみとなることに注意するべきと思います。
金を組み込んだポートフォリオの例
たとえば、以下のようにポートフォリオの中に10%程度の金を組み込んでみるのはどうでしょうか。
日本株ETF, VTI, VTなどのETF、米国債、現金などで分散投資を図るほか、金を少量組み込むことで、資産の多様性を高め、一部の資産の価値が下落したときの損失をヘッジするのが狙いです。
実際、2023年3月にシリコンバレーバンクが破綻したとき、安全資産である金が大きく買われ、金が大きく上昇しました。
金ETFを全資産5%くらいで持っていた私は、損失をヘッジすることができました。
金投資のやり方
さて、金投資のやり方について考えてみましょう。
金の現物を購入するのもよいですが、金の価格に連動するETFの方が手軽と思います。
東証で買える金のETFは3つあるようです。
ここで、金のETFには配当金がないことに注意しましょう。
配当金がないので、インカムゲインは得られず、値上がりによるキャピタルゲインしか得られません。
さらに注意しておきたいのは、金のETFは、どれも信託報酬が0.4% - 0.5%程度と非常に高いことです。
VTIの場合は0.03%なので、VTIの10倍以上に相当します。
信託報酬が高いと、ETFを保有する上でのコストが高くなってしまいます。
長期保有する場合は気にしておきたい数値ですが、金のETFはどれも信託報酬や経費率が大きいのが玉に瑕です。
だからこそ、全資産に占める金の割合を小さくしておくとよいと思います。
経費率とは、純資産総額に対して運用するために必要な費用がどれくらいの割合かを示したもので、これが低ければ保有中に発生するコストを抑えることができます。
運用コストが低いほど利益率は高まるため、できるだけ経費率の低い銘柄を選ぶことが大切です。 長期保有を想定している場合には、特に重要なポイントになります。
また、円建ての金ETFだけでなく、ドル建てのETFも買っておくと、分散投資として効果的と思います。
ポートフォリオに10%の金を組み込む場合だと、5%を円建ての金ETF、残る5%をドル建てのETFで構成するとよいでしょう。
おわりに
2023年の投資対象とて金をご紹介しました。
金をメインの投資対象とすることはあまりないかもしれませんが、ポートフォリオに少量組み込んでおくと、資産総額の変動率を少なくなり得るので、金に投資してみるのは「アリ」と思います。
保有する資産を多様化し、堅実な運用を心がけたいものです。