米国が不景気となる2023年、新興国投資はアリか? | いがらしの投資計画
作成日: 2023年01月05日
更新日: 2023年01月06日
はじめに
この記事のポイント
- 米国経済が底を打つまで、新しい投資対象を開拓できないか?
- 新しい投資対象として「中国」はアリか?
- 新興国を組み込んだポートフォリオとは?
このブログでは、2023年に米国が不景気となる可能性について指摘してきました。
2022年は米国の雇用が非常に強く、失業率が4.0% - 3.5%の間を推移しました。
コロナショック時の2020年4月が14.7%という失業率であったことを考えると、2022年は非常に失業率が低かった年でした。
しかし、FRBの急速な利上げに伴い、2023年に米国が不景気となる兆候が見られるようになるにつれ、2022年12月の失業率の予測値を4.0%とするメディアも現れました。
前月が3.7%であったことを考えると、かなり悲観的な予測値と思います。
2022年12月の米国の失業率は2023年1月6日、日本時間22時30分に発表です。
このときに発表される数値の高低、あるいは予測に対する高低次第で、米国のダウ平均やS&P500指数、ひいては翌日の日本の株価に大きく影響すると思います。
米雇用統計・今月の注目ポイント(2023年1月6日発表分)| ソニー銀行公式ブログ
このことから、またしてもS&P500指数のボラティリティが高くなりそうです。
なかなか米国経済に投資しづらい状況と考えています。
米国が不景気となり、S&P500指数が底を打ち、上昇し始めたときに米国経済に対する積極的な投資を再開しようと筆者(いがらし)は考えているのですが、それまでは米国経済に対する投資はできるだけ控えようと思っています。
私は、S&P指数が底を打つまで、ほかの投資対象を探そうと思っています。
その1つが前の記事でご紹介した金(Gold)です。
ほかに投資対象はあるのでしょうか?
私は「新興国」が有望と思っています。
投資対象としての「中国」
ここでの「新興国」とは、中国、インド、台湾などです。
国によってリスクの差があるかと思いますが、ここでは中国を取り上げてみます。
一般に、米国と新興国の景気は連動しますが、例えば米国の好景気がピークになった数年後に新興国が好景気となる、という風に「時差」があるとされています。
この時差は、国内外の米ドル流通量を左右する、米国の金融政策が変化することにより生じます。
つまり、新興国で流通する米ドルの量により、新興国の景気がある程度決まります。
新興国で流通する米ドルの量は、米国外の国や投資家が持つ米国債の量により推定できるようです。
以下のグラフは、中国が保有する米国債の総額です。
これを見ると、2000年ごろから2011年まで猛烈な勢いで米国債を買った後、2022年9月まで残高が減少トレンドにあるようです。
米国が利上げを行なった結果かもしれません。
Why China Buys U.S. Debt With Treasury Bonds | Investopedia
中国株ETFであるMCHIのチャートを見てみると、2022年2月中旬に高値をつけたあと下落トレンドに入っていたようです。
直近では短期的な上昇トレンドに入りそうな動きを見せていますが、これが長期的な上昇トレンドに繋がるかは微妙なところかと思います。
私自身、いま現在、中国経済へ本格的な投資をおこなうのは少し躊躇しており、メインの投資対象としてはいまは「ナシ」かなと思っています。
(MCHIは安値をつけていますが、経費率が0.57%と、金ETF並みに経費率がかさむETFであることにも注意します)
新興国を組み込んだポートフォリオとは?
とはいえ、中国、インド、台湾などの新興国に対し、幅広く投資を行うのならばアリかと思います。
新興国で構成されたETFといえばVWOです。
VWOは経費率が0.08%とやや高めですが、MCHIと比べると断然低いです。
また、構成国は中国32.9%, 台湾が19.0%, インド15.7%、ブラジル6.8%と幅広いため、分散投資の効果が期待できます。
【新興国ETF】VWOとは?構成銘柄や配当金、株価推移を徹底解説
私はVWOをこんな感じでポートフォリオに組み込んでいます。
ややリスクの高い資産としてVWOを5%だけ組み込んでいます。
分散投資のため、米国、日本、新興国と経済対象を増やすのが狙いです。
いまはまだ新興国への投資配分を小さく抑えていますが、将来、新興国の経済発展が安定化すれば、新興国投資の配分を大きくすることも考えています。
おわりに
この記事では新興国投資(特に中国)について考察し、新興国投資をポートフォリオに組み込んだ例をご紹介しました。
みなさんの投資計画の参考になれば幸いです。