
2022年末の世界経済は?ロシアのウクライナ侵攻や米中関係悪化で急激な利上げ、2022年終盤の経済指標を解説
作成日: 2022年12月25日
更新日: 2023年03月21日
はじめに
2022年が終わろうとしています。
皆さんにとってはどんな年だったでしょうか?
世界の経済情勢にとっては激動の年だったと思います。
ロシアのウクライナ侵攻、世界各地でのインフレ、米国の急速な利上げ、対立が深まる米中関係・・・
これらの出来事が起きた2022年末、どんな経済情勢となったのか、この記事で考えてみます。
2022年末を測る経済指標
とはいっても、どんな観点から2022年末の経済を考えればよいのでしょうか?
ここでは、改訂版 金利を見れば投資はうまくいく | 堀井正孝 (著)を参考に、以下の経済指標を取り入れてみましょう。
- 米国の政策金利
- 米国の長短金利差
- 米国の社債スプレッド
- スワップスプレッド
- 米ドル指数
米国の政策金利
米国では、コロナショック後、2020年3月から2022年3月まで0.06%から0.10%という低金利でした。
その甲斐あってかこの間、米国経済は非常に堅調に推移しました。
S&P500指数を見ると、2020年3月から2022年初まで、次々と高値と安値が切り上がる上昇トレンドに入っていたことがわかります。
ところがFRBは、景気の過剰な加熱を危惧し、2022年3月に0.08% → 0.20%という利上げを行いました。
そこから継続して急速な利上げを行い、2022年12月、政策金利は4.33%に達しました。
注目するべきは、この利上げのスピードだと思います。
これほど急速な利上げが行われたのは、1980年台以来です。
現在の金利と1年前の政策金利を比べてみると、現在: 4.33%、1年前: 0.08%なので、いかにこの間の利上げが急速だったかわかります。
さて、「金利を見れば投資はうまくいく」によれば、「現在の政策金利と1年前の政策金利の差が0.25%より大きければ、投資を行うにあたっての環境(投資環境)が悪化している」ということが言えそうです。
現在は、「現在の政策金利 - 1年前の政策金利 = 4.25%」なので、政策金利だけを見れば、1年前と比べると投資環境が急速に悪化していると言えると思います。
おわりに
この記事では、米国の政策金利の2022年の推移を見ました。
その結果、2022年には急速な政策金利の利上げが行われたため、1年前と比べて投資を行うにあたっての環境が悪化しているということがわかりました。
これは何を意味するのでしょうか?
米国の政策金利が上昇したとき、他の長期金利等のパラメータはどのように変化し、企業や投資家たちにどんな影響を与えたのでしょうか?
それは次の記事で書きたいと思います。