2023年の米国国債市場の見通しは?復活はあるのか? | 米国株投資について語る
future

2023年の米国国債市場の見通しは?復活はあるのか?

作成日: 2022年12月31日

更新日: 2022年12月31日

にほんブログ村のロゴ
人気ブログランキングのロゴ

はじめに

2022年の大晦日になりました。

投資家にとって、2022年はどんな年だったでしょうか?

2022年は、FOMCの年だったと思います。

2021年の終わり、米国は確かにインフレに襲われてはいましたが、2022年内の利上げは小規模な範囲に留まるだろうという見方が一般的だったかと思います。

2021年12月、CNBCによれば、FOMC参加者に2022年以降の政策金利を予想してもらったところ、2022年の金利は1.0% - 0.25%の範囲に収まると考えていたとのことでした。

FOMC参加者による2022年以降の政策金利の推移の予想

The majority of Fed members forecast three interest rate hikes in 2022 to fight inflation

ところがフタを開けてみると、2022年はFOMCが急速な利上げを行い、年末には政策金利は4.5%という高金利に達しました。

このおかげで2022年は大幅な株安、国債安の年となりました。

いかに未来を予想するのが難しいか示す出来事だったと思います。

さて、投資家としては、これをどう受け止め、2023年に向けてどんな投資戦略を立てるべきなのでしょうか?

この記事のポイント

  • 債券市場の見通しを占うMOVE指数
  • 2022年のMOVE指数、米国長期債券ETF(BLV)の値動き
  • 2023年の投資戦略

債券市場の見通しとMOVE指数

市場の見通しを測る指数として、恐怖指数があります。

一般に恐怖指数とは、「将来の相場に対する投資家心理を反映する指数」であり、価格の変動率(ボラティリティ)をもとに算出される指標です。

相場の先行きに不安があるとき、急上昇します。

恐怖指数|証券用語解説集(野村証券)

S&P500指数の恐怖指数のVIX指数は有名かと思いますが、米国債にも恐怖指数があり、MOVE指数として知られています。

下のグラフは2022年のMOVE指数の推移です。

MOVE index

2022年初頭、MOVE指数は80USDという数値からスタートしましたが、FOMCの利上げのたびに跳ね上がっています。

直近の12月の利上げでは、以前より利上げ幅が小さかったため、MOVE指数の上昇幅も小さくなっていますが、それでも141USDという高値を記録し、2022年末現在は121USDとなっています。

MOVE指数は一番低いときでも40US$程度(2019年3月12日など)であることを考えると、2022年はMOVE指数が非常に高い年であったことがわかります。

通常、米国債の値動きは激しくないと言われているのですが、今年の米国債は相当に値動きが激しかったようです。

2022年のBLVの推移

それを確かめるため、米国の長期国債ETFであるBLVの今年の推移をみてみましょう。

BLV

105US$程度からスタートし、10月に66US$という底値を記録したあと、現在は72US$程度です。

BLVがこれほど安かったのは、BLVが2012年に始まって以来初めてです。

2023年の投資戦略

さて、BLVが始まって以来の最安値となったことを見ました。

お買い得ではあるので、いまから少しずつ買っておくとよいと思います。

ただし、来年1月、FOMCがさらに利上げし、さらに下落することも考えられると思います。

そのため、いきなり大量には買わず、少しずつ、定期的に、慎重に買っておくのがよいと思います。

また、S&P500指数の動向にも注意したいところです。

S&P指数の恐怖指数のVIX指数と、MOVE指数は相関があることが指摘されています。

MOVE指数(債券版恐怖指数)はVIX指数と高い相関性 | ファイナンシャルスター

今年のMOVE指数の激しい値動きは、来年以降のVIX指数の値動き、すなわちS&P指数の値動きが大きくなることを示唆しているのかもしれません。

したがって、米国債を買うにしても、S&P指数に連動したETFを買うにしても、来年は慎重に投資する年となりそうです。

おわりに

この記事では、「米国債版のVIX指数」であるMOVE指数をご紹介し、2022年は激しくMOVE指数が動いたことを見ました。

その上で、来年はどのように投資するべきなのか、私の考えを述べました。

どんなアイデアに基づいて投資するにしても、自分や有識者の未来の予測をアテにしすぎるのは考えものだと思います。

(この記事の冒頭でも述べたように、FOMCの参加メンバーでさえ政策金利の予測を完全に外したのですから)

将来、市場がどんな風に動くにしても、自分の資産が大きく目減りしない堅実な運用を心がけたいものです。

にほんブログ村のロゴ
人気ブログランキングのロゴ