米国経済指標の悪化を受けて投資先を変えるタイミングは? いがらしのおすすめはUS REIT
作成日: 2023年04月07日
更新日: 2023年04月09日
はじめに
4月第1週は、ISM製造工業景気指数、ISM非製造工業景気指数、雇用統計(失業率)等、米国経済にとって重要な経済指標が発表されます。
記事執筆時点では雇用統計は未発表ですが、ISM製造工業指数やISM非製造工業景気指数は予想を下回りました。
結果の総括については他メディアをご覧いただければと思います。
米ISM製造業景況指数、20年5月以来の低水準-雇用大きく低下 | Bloomberg
さて、このまま順当に推移し、金融の信用を揺るがすような事件が起きなければ、前回の記事で触れたように、2000年台初頭の不景気のような小-中程度の不景気が起こる可能性が高いと考えています。
2023年初頭までは米経済指標がおおよそ強かったと思います。
特に毎月の雇用統計で発表される前月の失業率が非常に低く、低い失業率が発表されるたび、市場がFRBによる利上げを予想し、長期金利が上昇するという場面が相次ぎました。
しかし、3月に入ったくらいからようやく経済指標が悪化してきました。
3月の雇用統計はいまだに雇用が強いことを伺わせる内容だったものの、長期金利の上昇は頭打ちし長い低下トレンドに入り、米経済の状態が変化しつつあると考えています。
いがらしは、前から長期金利の低下を予測し、米国債ETFに積極的に投資し、米国債ETFが全資産の20%強を占めるまでになりました。
しかし、米経済の状態が変化しつつあるいま、投資を変える時がきたと思っています。
この記事では、いがらしが今後数ヶ月から1年で買いたい金融商品であるUS REITをご紹介します。
この記事のポイント
- 米国の経済指標が悪化しており、長期金利が低下する可能性が高まっている。
- このような状況下で、米国の不動産業に注目し、US REIT(不動産投資信託)で投資が有望である。
- 一般に不動産業は銀行からの借入金が多いため、長期金利の上昇による利益の減損が他セクターよりも大きいとされている。
- US REITは、複数の不動産投資を組み合わせたもので、リスク分散ができる。
- US REITは、不動産投資に直接投資することが難しい個人投資家にとっても、簡単に投資できる手段である。
- ただし、US REITにはリスクがあり、投資前に十分な情報収集と検討が必要である。
今後数ヶ月から1年で買いたい金融商品 USREIT
米国の不動産業に注目し、US REIT(不動産投資信託)で投資しようと思っています。
一般に不動産業は銀行からの借入金が多いため、長期金利の上昇による利益の減損が他セクターよりも大きいとされています。
金利を見れば投資はうまくいく | 堀井正孝 (Amazon)
それを受けてか、BlackRock JapanのUS REIT ETF(1659)は2022年頭から終わりにかけて-15%下落していました。
以下は2022年8月ごろから直近までの推移ですが、緩やかに下落しつつ、最近は長期金利の低下を受けてか、下落トレンドからトレンドレスな状態に移っているように見えます。
株主の配当金も、2022年8月の9円という分配金単価から2023年2月は23円と回復傾向のようです。
このことから、いがらしはUS REITへの投資はある程度収益が見込めると考え、iシェアーズ 米国リート ETF | BlackRockを極少量ですが購入してみました。
今後の展開にもよりますが、US REITは最大全資産の5%くらいで増やし、長期金利の低下が底打ちになったタイミングで売却しようと思っています。
信託報酬も0.2%程度と高めですし、長期で保有する商品ではないと考えています。
ただし、長期金利がUS REITに与える影響は、ETFによってまちまちである可能性に注意しようと思っています。
会社によって借入金の大小は異なるので、ETFのポートフォリオ次第で長期金利への依存性が違うかもしれません。
また、USREITが影響を受けるパラメータは長期金利だけではなく、失業率、あるいは特定セクターの失業率によっても影響を受ける可能性がありそうです。
テック業界でのレイオフによりテック企業が数多く立地するサンフランシスコでの住宅価格が下落する一方、東海岸や南部では住宅価格が上昇しているようです。
Why tech hubs are seeing home prices cool faster than other areas in US | CNN
このようにUSREITはなかなか複雑な金融商品であり、リスクもあることに注意します。
おわりに
この記事では今後の有望な投資先としてUS REITをご紹介しました。
どんな金融商品でも同じですが、金融商品にはリスクがあります。
購入する前に金融商品のリスクを見極め、自分がどの程度のリスクならば許容するのか慎重に考えた上で投資したいものです。