ロッキード・マーチン株とGOLD価格の関係性と米国国防予算について
作成日: 2023年04月23日
更新日: 2023年04月23日
はじめに
日米ともに決算シリーズになりました。
米国の大手銀行の決算に注目が集まるところですが、いがらしはロッキード・マーチン (LMT)の決算にも注目しています。
ロッキード・マーチンといえば、S&P500を構成する銘柄の1つであり、アメリカが誇る軍需・防衛産業の最大手です。
2023年1Qの決算は良くもなく悪くもない堅調な内容で、EPSは2022年1Q決算から1.02倍の増加に留まっています。
Lockheed Martin Corporation 1st Quarter 2023 Conference Call
部品の不足等で売上高は伸び悩んでいるようですが、ロッキード・マーチンの業績は中長期的に伸びるといがらしは考えています。
というのも、最近のバイデン大統領は対中国姿勢を強めて国防予算を増大させており、2024年度の国防予算は前年度3.3%増です。
バイデン大統領が予算教書提出、「中国に打ち勝つため」国防費3・3%増…総額937兆円 | 読売新聞
米国が国防を強化するのであれば、米国でも有数の軍需企業であるロッキード・マーチンの業績も伸びるはずです。
「国策に売りなし」とはよく言ったものですね。
実際ロッキード・マーチンの業績も伸び続け、かつウクライナ侵攻の発生もあり株価は5年前から40%上昇しています。
ここでさらに私が注目しているのは、ロッキード・マーチンの株価と金(GOLD)の価格の関係です。
ロッキードマーチンの株価とGOLDの関係
2019年3月から現在のロッキード・マーチンとGOLD(US$/OZ)をプロットしてみます。
驚くほどトレンドが似ているように見えます。
金にしてもロッキード・マーチンにしても、戦争などの有事リスクが意識されるたびに上昇するという特徴があるということでしょう。
米国の有事への意識が強い限り、米国の国防費はある程度増大し続けるといがらしは考えています。
であればロッキード・マーチンの株価も中長期的には伸び続け、ロッキード・マーチンの株価と似た依存性を持つGOLDも伸び続けるという算段でいます。
直近のGOLDについてみてみましょう。
直近のGOLDの値動き
直近のGOLDに関しては、SVBの破綻による金融不安が生じたことから安全資産と思われているGOLDに投資マネーが投じられ、3月中旬から下旬にGOLDが急騰するという場面がありました。
しかし4月に入ってからGOLDの上昇も一服感があり、SVB破綻直後の勢いはなさそうです。
GOLDと金融不安
前述したように、いがらしは3月にGOLDが上昇したのは金融不安が生じたことが原因と考えています。
しかしいま、金融不安への恐れがやや薄れ、一時的に強気市場になっているといえそうです。
S&P500は3/13の底値から4/21までに7%強上昇しています。
また金融危機のリスクを測るパラメータとしてBAA10Yがありますが、SBV破綻により急上昇したものの、4月に入ってからは下落し続け、2023年初頭の水準近くまで戻しています。
このことから、3月のGOLDの急騰を支えていた要因はなくなりつつある、と言えるかもしれません。
(金融危機のリスクがなくなったというわけではありません。念のため)
GOLDと有事リスク
それでは今後GOLDは下落一方でしょうか?
その可能性もありますが、今後もしつこく上昇し続ける可能性もあると考えています。
その場合の上昇を支えるのは有事リスクと考えています。
前述したロッキード・マーチンが有事リスクにより伸び続けるのであれば、GOLDも付随するだろうというアイデアです。
いがらしのGOLDとロッキード・マーチンへの投資の考え方
GOLDの上昇要因と、ロッキード・マーチンの上昇要因が重なる部分がありそうだという考えを述べてきました。
いがらしは、GOLDを総資産の6%程度で持っています。
GOLDに関しては定期積立をするつもりはなく、安くなったタイミングで買い足すというスタンスです。
また、いがらしは現在個別株を持っていないのですが、ロッキード・マーチンは将来買いたい銘柄の1つです。
とても巨大なバリュー企業ですし、安定した経営がなされていれば増益も期待できます。
しかしそれ以上にいがらしが意識しているのは有事リスクです。
今後10年、環太平洋地域で有事が生じる可能性が比較的高いと考えています。
(もちろん起こってほしくはありませんが)
有事へ備える意味でGOLDとかロッキード・マーチンにある程度投資しておこうと考えています。