個人投資家必見!ゴールドETFを活用したポートフォリオ構築法 - 株と債券だけでない資産選択
作成日: 2023年09月22日
更新日: 2023年09月22日
ポートフォリオ構築におけるアセットクラスの選択 - 株、債券、そして「ゴールド」
投資ポートフォリオを構築する際に重要となるのが、アセットクラスの選択です。アセットクラスとは、投資の対象となる資産のカテゴリーのことを指し、それぞれ異なるリスクやリターンの特性を持っています。一般的に、ポートフォリオに複数のアセットクラスを組み込むことで、リターンの向上やリスクの分散が期待できます。
株式や債券は、典型的なアセットクラスとしてよく知られています。株式は企業の所有権を示し、企業の業績に連動したリターンを期待することができます。一方、債券は企業や政府への借金のことで、一定の利息収入と元本返済を期待することができます。
これらの伝統的なアセットクラスに加えて、投資家は第三のアセットクラスとして「ゴールド」を検討することもあります。ゴールドは貴金属として古来から価値を持つ一方、経済的な不安定さやインフレに対するヘッジとしての役割も果たします。株式や債券とは異なる動きをすることが多く、ポートフォリオのリスク分散に寄与します。
それでは、ゴールド投資の特性とそのリスクについて詳しくみてみましょう。
ゴールド投資の性質 - 安全資産としてのゴールド
ゴールドは古来から高い価値を持つとされ、通貨としても使用されてきました。経済の混乱や政治的な不安定さが生じると、投資家は安全な資産へと資金を移動させる傾向があります。これを「リスクオフ」の動きと言います。ゴールドはその代表的な「安全資産」の一つであり、リスクオフの動きが起きると価格が上昇することが多いです。
また、ゴールドはインフレヘッジとしての役割も果たします。インフレが進むと、通貨の価値が下がるため、実質的な購買力が低下します。しかし、ゴールドは物理的な存在を持つ資産であり、通貨の価値が下がってもその価値は保たれます。そのため、インフレ期にはゴールドの価格が上昇する傾向があります。
一方で、ゴールド投資には注意点も存在します。まず、ゴールドは配当を生まないため、価格上昇によるキャピタルゲインを期待する形となります。これは、価格が下落した場合には損失を被るリスクを伴います。また、ゴールドの価格は需要と供給により決まるため、需要が下落した場合や供給が増えた場合には価格が下がる可能性もあります。
さらに、ゴールドの価格は通貨価格、特にドル価格との関連性が高いです。ドルが強くなるとゴールドの価格は下落し、ドルが弱くなるとゴールドの価格は上昇する傾向があります。したがって、ゴールド投資を行う際にはドルの動きにも注視する必要があります。
さて、それではどうやってゴールドに投資すればよいのか?詳しくみてみましょう。
ゴールドへの投資手段 - ゴールドETFの活用
ゴールド投資を行う方法は大きく分けて2つあります。一つは物理的なゴールド(金塊や金貨)を購入する方法、もう一つは金価格に連動する金融商品を購入する方法です。
物理的なゴールドを購入する方法は、直接保有するというメリットがありますが、保管場所や保管費用、盗難リスクなどの問題があります。また、売却時には手数料がかかることが多く、流動性が低いというデメリットもあります。
一方、金価格に連動する金融商品を購入する方法は、その中でも特にゴールドETF(Exchange Traded Fund)が注目されています。ゴールドETFは、ゴールドの価格動向に連動する投資信託で、取引所で株式と同様に売買することができます。
ゴールドETFを使用すると、物理的なゴールドを保有することなくゴールド価格の動きに投資することができます。また、取引所で売買できるため、売買の手間やコストが少なく、流動性も高いというメリットがあります。
ただし、ゴールドETFの経費率は一般に0.5%と、株や債券のETFに比べて高いことが特徴です。これはゴールドETFを保有するコストが高いことを意味します。 また、ゴールドETFの価格はゴールドの価格と完全に一致するわけではなく、一部のゴールドETFではレバレッジ(倍率)を使用して価格変動を表現するものもあります。そのため、ゴールドETFを利用する際には、商品の詳細をよく理解した上で投資することが重要です。
ゴールドETFは、一部のポートフォリオに組み込むことで、他のアセットクラスが下落した際のリスクヘッジとして機能することがあります。しかし、ゴールド価格の変動リスクを伴うため、その比率は慎重に決めることが必要です。
いがらし個人としては、1672 WisdomTree 金上場投信 | Yahoo! ファイナンス を年に1回、安くなったタイミングで買うようにしています。
1672 WisdomTree 金上場投信 | Yahoo! ファイナンス は、2017年ごろまではもみ合いだったのですが、コロナ以後やウクライナ侵攻開始後からうなぎのぼりに上昇し、2017年ごろの水準と比べて100%近くも上がっています。
特に2022年ごろ、株も債券も冴えない動きをしていた中で、ゴールドだけは堅実に上昇していたのでポートフォリオ下落のヘッジとなっていたので助かりました。
ポートフォリオにおけるゴールドの位置づけ - 5%から10%のゴールド投資がもたらす恩恵
これまでに見てきたように、ゴールドはその特性からポートフォリオの一部を構成することで、リスク分散やインフレヘッジとしての役割を果たします。しかし、その一方でゴールドは配当を生まないため、価格上昇によるキャピタルゲインを期待する投資となります。また、価格変動リスクや通貨価格との関連性など、理解しておくべきリスクも存在します。
これらの要素を考慮した上で、ポートフォリオにおけるゴールドの割合をどの程度に設定するべきか考えてみましょう。いがらしとしては、全体の5%から10%程度をゴールド投資とすることが推奨します。
なぜなら、この割合ならばゴールドの持つリスクヘッジの効果を十分に活用しつつ、価格変動リスクによるポートフォリオ全体への影響を抑えることが可能だからです。また、このレベルならば、ゴールド価格が下落した場合でも、他のアセットクラスのパフォーマンスで補うことが可能です。
しかし、これはあくまで筆者の考え方であり、個々の投資家のリスク許容度や投資目的、投資期間などにより最適なゴールドの割合は変わります。
結論として、ゴールド投資はその独特な性質から、ポートフォリオの一部として組み入れることで、リスク分散やインフレ対策として有用な役割を果たすことができます。ただし、その性質とリスクを理解した上で、適切な割合で投資することが重要となります。