2023年の米国不景気時に買わない方が良い株とは?
作成日: 2022年12月22日
更新日: 2023年03月25日
はじめに
12月発表のCPI、12月開催のFOMC等から、2023年の中頃には米国が不景気となる可能性が高くなっていると考えています。
その上で、以前の記事では、米国の長期国債が下がると価格が上がる株や公共株等の景気に鈍感な株を買っておくとよい、というアイデアをご紹介しました。
基本的には2023年に米国が不景気と考えられるためです。
それでは、「不景気となりそうなときに買っておくべき株」に対し「不景気となるときに買わない方がいい株」というのはあるのでしょうか?
「いまはあまり買わなくてもよい」株とは
一般に、不景気に弱いセクターは「小売り業」「外食業」「旅行や娯楽業」などが挙げられます。
そのほか、コロナショック後の好調すぎる米国経済を支えてきたテック株(代表的な銘柄はGAFAM+Netflix)も外せません。
特にテック株のパフォーマンスに関しては、QQQというETFの値動きを見ておくとよいでしょう。
QQQとは、数多くのテック株が上場しているNASDAQのNASDAQ100指数に連動して動くETFです。
コロナショックではズドンと下落しましたが、その後は中期移動平均線に支えられながら非常に堅調に上昇してきました。
しかし最近は、2021年年末に高値をつけたあと下落トレンドに入り、直近では2021年末の66%程度まで下落してしまいました。
2022年中の推移を見ると、中期移動平均線に抑えられながら短期移動平均線が下落するトレンドに見えます。
このことから、テクニカル的には、少なくとも2023年初頭にQQQが長期的な上昇トレンドには入るとは考えずらいと思います。
また、ファンダメンタル的にも、テック株は景気敏感株として知られるので、米国が不景気となる2023年は下げると思います。
長期投資の目的でQQQを積み立てているならまだしも、短期目線で買うと、あまりよくないでしょう。
また、同様の理由でVTIなどのS&P500指数に連動して動くETFも、今から買い始めるのはあまりお勧めできません。
S&P500指数は米国の景気と連動して動くためです。
金融資産が少ない方たちにとっては、目先で下げる銘柄は買いたくないというのが本音です。
買うならば、来年の中頃くらいにVTIやQQQを少しずつ買っておくとよいでしょう。
その頃には、ドル/円もさらに下げ、円で買いやすくなっているかもしれません。
終わりに
投資では、「焦りは禁物」です。
直近の経済情勢を見ると、あまり積極的に投資を行わない方がよいかもしれません。
長期国債やディフェンシブ株への投資、積み立て投資などは行うにしても、短期目線での投資は控え、現金の比率を高めた方がよいと考えています。
特に、短期目線でのS&P500指数やテック株に対する投資は、来年に始める方がよいでしょう。